碁石の特徴について
日向産蛤による碁石とメキシコ貝による碁石と二通り市販されているのが現状なので、双方の特徴や見分け方を紹介します。
碁石の色彩による法
日向産蛤には乳白色である長く使用すると表面の滑らかさの度合いますます進み、淡い黄色味を帯びてきます。また、柔らかい光沢には艶がある。これは先にも述べたとおり、地下に長年埋もれていた事によって、好結果を生んでいます。
メキシコ貝は現に生きている貝であるから、色彩は純白で水水しく、シマ目が青みを帯びて鮮明である。長い年月使用しても日向物のような黄味を帯びてとろっとした滑らかさは期待できません。
メキシコ貝から製造される物で赤目石といわれる茶褐色のシマ目の碁石もあるが、産地では等外品として扱われる物であるから、ここでも碁石としての評価は省略します。
碁石の重量触感
重量は日向蛤もメキシコ貝も殆ど変わりません。使用中に明らかに感じられるほどの差はありません。触感は日向蛤のほうが滑らかで汚れも付きにくい。対してメキシコ貝は汚れが付き易い特徴があります。
碁石の表裏の模様
表=日向物はシマ目が細かく時折太めの目も出るので、ゆったりとした感じの目となる。メキシコ貝のシマ目は日向蛤よりは粗く、両端で裏側に返るように曲がっています。
裏=日向物は乳白色の石灰質の肉付きがゆったりしています。メキシコ貝は舞鶴を思わせるような石灰質の重なった層があります。
碁石の形
碁石の形は三種類に分けられます。スリ方によって肉付きの形に相違があり、蒲鉾型、ソロバン玉形、本因坊形の三種類です
。
1、蒲鉾型は蒲鉾の形ににているものでスリ落としたミミの部分の肉付きが厚い。
2、ソロバン玉型はソロバン玉ににた形でミミの所の肉付きが削げ鋭い感じになっている。
3、本因坊型はミミの所の肉付きが蒲鉾型とソロバン玉型の中間程度の厚さです。
碁石の寸法
石の直径の寸法は、江戸時代のものは現行の石より小さめであるから現在の基準にはならないが、小さいのは盤との関係からと思われます。江戸時代の碁盤は現行のものよりは縦横ともに二分づつ小さく、石は直径六分八厘であった。現行のものは白石七分二厘、黒石七分三厘である。
黒石は厚みも直径も白石より一厘伸ばして仕上げる物であるがこれは肉眼で見た場合に、白石は開放的で実物より大きく見えるのに反し、黒石は小さく見える錯覚を考慮し作られました。碁石の厚みの表示は白石の厚みを基準としているから、黒石の厚みで求めぬように注意しましょう。
碁石の数
碁石の数は白黒合わせて361個(これは碁盤の目数と同数)ありその中白石は180個黒石は181個です。